遠距離恋愛 別れ

遠距離恋愛,別れ

 

卒業という節目はお互いの進む道が分かれてしまうことである。中学や高校の時は卒業後も別れることなく関係を維持していたが、やはりお互いの環境が変わると上手くいかないものである。

 

 

特に大学は遠方より様々な人が集まり卒業し、地元に戻っていく。彼女も例外ではなく、地元の企業で就職が決まり、卒業式の翌日に地元に帰る。お互い社会人になり、遠距離恋愛になることを考えると、別れ話が出てくるのは必然のように感じられた。

 

 

別れることをお互いに決意した日から卒業までは、出会った頃のように新鮮な気持ちになれた。ほとんど毎日会って、昔話に花を咲かせた。たくさんの話をしたがお互い別れることに関しての話はしなかった。

 

 

別れなかった場合の2人の関係について、寝る前に良く考えていたのは覚えている。夏休み等の長期休みに泊りで会いに行くことや、社会人として安定した生活を送れるようになったら、迎えに行こうとも考えた。しかし、口にすることはなかった。

 

 

卒業式を迎え、最後の1日を何することもなく、2人で過ごした。明日、別れる現実を直視することが出来ずにいたが、時間が進むにつれ、どうしようもない気持ちでいっぱいになった。

 

 

そして、別れ。新幹線のプラットファームで電車が来るのを待っている時間は、何も話すことなくベンチに座っていた。遠距離でも上手くやって行ける。社会人になって苦楽を共に歩みたい、そんな気持ちでいっぱいになっていた。

 

 

新幹線がホームに入り、最後の別れ。お互いにかけた言葉は「今まで、ありがとう。元気でね。」伝えたいことはいっぱいあるのに、本当の気持ちを伝えられなかった。ドアが閉まり、言い表せない切ない感情が心をいっぱいにした。気が付くと涙があふれていた。